HOME << ポイント5 材質別 難削材の加工ポイント << ポイント5-9 ハイマンガン鋼(高マンガン鋼)
材質別|難削材の加工ポイント
5-9ハイマンガン鋼(高マンガン鋼)POINT 9
材料特性
高マンガン鋼は高靭性で延性に富み、耐衝撃性や耐摩耗性に優れていますが、熱伝導率が小さく、加工硬化性が著しく大きいのが特性です。
そのため、工具磨耗が発達しやすく、切れ刃のチッピングや欠損も生じやすく、また切削温度が上昇しやすいため切りくず処理性も悪いなどの課題があります。
高マンガン鋼は電磁気材料、対摩耗性部品等に利用されています。
加工におけるポイント
高マンガン鋼の加工硬化は、工具損傷の深耕による切れ刃の鈍化の程度に応じて増加します。
したがって、切れ刃の磨耗が進行した切れ刃やチッピングや欠損などの異常損傷が生じた切削工具で、無理に切削加工を継続しないことが重要です。
高マンガン鋼の切削では工具の交換を早めに行うことが重要なポイントとなります。
高マンガン鋼の種類とV-T線図
一般に高マンガン鋼の組成と被削性の関係は高C・低Mn系でもっとも削りにくくなります。
中C・中Mn系から低C・高Mn系へと炭素質量が減少し、マンガン質量が増加すると被削性が向上していく傾向があります。
*画像をクリックすると拡大します。