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材質別|難削材の加工ポイント
5-5チタンPOINT 5
材料特性
強度、軽さ、耐蝕性、耐熱性を備えるチタン合金は航空機のエンジン部品やロケット部品、自動車部品から日常の生活必需品まで極めて幅広い分野に使用されています。
比重は4.51と小さく鋼の60%、銅、ニッケルの約50%に過ぎず、比強度はアルミニウムの300%で一般の鋼やステンレス鋼に比べても大きいのが特長です。
熱伝導率が小さいため、切削熱が発熱部の切れ刃と工具すくい面に集中し、局部的に切削温度が上昇することによって、化学反応による拡散磨耗が発生し切れ刃欠損へと発展してしまいます。
また切りくずはせん断型に生成されるため、加工点の切れ刃は切削振動やびびり振動が生じやすくなり、切れ刃のチッピングや欠損といった工具損傷を拡大させてしまいます。
加工におけるポイント
それぞれの加工形態において適正工具材種を選択するため材料特性と生産性の特性、部品の形状特性、工作機械特性、加工形態特性、保持具特性を吟味し最適化を図っていくことが必要です。
すくい角を大きく設計し切削抵抗の低減機能を重視した切削工具を選択し、切削抵抗をできるだけ小さくします。
また工具損傷、切れ刃欠損を防ぐためにも不水溶性の切削油剤の適用も重要です。
エンドミル径が大きいときは高送り切削が可能ですが、小さいときは工具合成の面から送り量は制約されます。